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YouTube用マスタリング Part4
YouTubeにアップした音はちょっと塩漬けすると音が良くなるかもよ?

前回まではYouTubeのノーマライズについて測定検証してきましたが、
今回は実際にYouTubeにアップロードした音の音量がどのように変化するか、
実際に音をアップロードして実践検証して行きたいと思います。
アップロード方法は2Mixを48k24bitのWAVファイルで用意し
Final Cut Proに取り込みFull HDで作成、直接FCPから共有アップロードしています。

まず同じ曲を2種類の音圧で用意しました。
一つはがっつりマキシマイズしたもので、ラウドネス値も-6.7LUFS。
一つは先の結果からラウドネス値が-13.0LUFS、ピーク値-1.0dBFSになるように調整したもの。
下記はアップロード前にラウドネスメーターで測定した結果です。

がっつりマキシマイズしたオリジナル (ラウドネス値-6.7LUFS)


YouTube用マスタリング音源オリジナル(ラウドネス値-13.0LUFS)


次にアップロードしたものを前回までの方法と同じようにYouTubeで再生して測定した結果です。

がっつりマキシマイズをYouTubeで再生 (ラウドネス値-6.8LUFS)


YouTube用マスタリング音源をYouTubeで再生(ラウドネス値-13.0LUFS)


あれ、ほとんど変わってない!?
もしかしてアップロードしてからノーマライズされるまでにタイムラグがあるのか?
ということで何度か計測し直していたところ、2日目に変化が。

がっつりマキシマイズをYouTubeにアップして2日後に再生 (ラウドネス値-11.3LUFS)


YouTube用マスタリング音源をYouTubeにアップして2日後に再生(ラウドネス値-13.0LUFS)


無事ノーマライズ処理されました。
やはりアップロードして直ぐに測定したものはノーマライズ処理されていなかったということですから、アップロードしただけで何が変化するかがわかります。
ラウドネス値は0.1LUFSの変化でほぼ変化無しとみても良いと思いますが、
ピーク値は0.6か0.7dBFS上がってます。
エンコードでインターサンプルピークが発生するのは予想通りですが、
思った以上に変化が大きく、-1.0dBFSをピーク値ターゲットにするのは正解ですね。

で、ノーマライズの方ですが、 YouTube用マスタリングの方は変化無し。-13LUFS。
がっつりマスタリングの方は4.9下がって-11.3LUFS。
その差1.7。うーん、 変わらないね!とはとても言えない差。
思ったよりがっつりマスタリングがノーマライズで下げられなかった。
というより、前回までの測定でも-11.3LUFSってトップクラスにデカイ。
インスト曲で4パートのシンプルな音なのが逆に下げる必要が無い、と解析されたのか!?
これだと13.0LUFSをターゲットは失敗にも見える。
13LUFSターゲットのYouTube用マスタリング音源も-11.3LUFS前後まで上がるのが本来のノーマライズだと思いますが、
やはり音量を上げる方向には作用しないということでしょう。

次は実際にターゲット値を数種アップロードしてノーマライズの挙動を確認していきます。
曲は某番組テーマ曲。オリジナルのマスタリング前の音源のラウドネス値は-21.7LUFS。
-16、14.5、-13、−11.5、−10、−8.5LUFSと7種類を用意して比べてみることに。

-8.5LUFS → -14.8LUFS
peak -6.5db

-10LUFS → -15.0LUFS
peak -5.4db

-11.5LUFS → -15.1LUFS
peak -4.3db

-13LUFS → -15.3LUFS
peak -3.2db

-14.5LUFS → -15.4LUFS
peak -2.6db

-16LUFS → -15.4LUFS
peak -1.4db

-21.7LUFS → -21.7LUFS
peak -8.8db

やはり-21.7LUFSの音源はそのままで上げる処理は行われず。
下げられたものの中心値は-15.1LUFSくらいでしょうか。
-14.8〜-15.4LUFSということなので、まあまあ揃っています。
が、この曲の場合ターゲット値は-15LUFSで良かったという感じ。なんでこんなに下げられてしまうのだろう?
先述の曲と比べるとラウドネス値に4LUFS程の差があるわけで、どういうアルゴリズムなのか気になります。
実際の音を公開するわけにもいかないのですが、違いとして思い浮かぶのは3点。-11.3LUFSになった先述の曲をA、番組テーマ曲をBとすると、

・曲の長さ。Aは12分以上。Bは18秒。
・Aはジャムセッション的な音源でナチュラルなミックス。Bはそれなりに派手なミックス。
・Aは全生楽器だがダイナミックレンジは普通。Bはほぼ打ち込みでロゴ部分とBG部分で分かれており音量差あり。ロゴ部分はVUもかなり振れる。

個人的には3番目が原因として怪しいか。短時間的や一時的なラウドネス値を考慮するアルゴリズムになっているのでは?と思いますが、わかりません。
とにかくターゲット値はミックスや曲によって±2LUFS程度の変動があるということだけは事実として残りました。
ラウドネスターゲット値は中心値としては-13LUFSだけど、実は-11LUFSまで稼いでおけば、曲によってもっと大きい音になる可能性もあるということです。

マキシマイズ、リミッティング無しで-11LUFSや-13LUFSの数値になる曲ってそう多くないと思われるので、やはりマスタリングは必要ですね。
それもYouTube専用のマスタリングにする方が有利です。もしくはSpotifyと共通の-11LUFSも有りなのでは?
どちらにしろちょっと-13LUFSは音楽用としては高過ぎかな...もう少し小さければ大部分の曲はマキシマイズが要らなかったと思うのだけど。

最後にアップロードからノーマライズが行われるまでのタイムラグですが、今回の場合、
2/15 18:46アップロード。
2/16 01:00変わらず。
2/16 16:32変わらず。
2/17 15:44変わらず。
2/18 15:12ノーマライズ確認。

ということで3日。他も大体3日目には処理されていました。
逆に短期間CMなんかの場合は裏技も使えるか...

第4回に渡った今回の検証も一応最終回。
要点をまとめます。
・ノーマライズは音量を下げる方向にしか作用しない。
・ターゲットラウドネス値の中心値は約−13LUFS。曲により±2LUFS程度の変動あり。-11LUFS位まで稼いで効果がある場合もあるかも。
・True Peak値は-1.0dbを最大とすれば安全。
・アップしてノーマライズされるまでは時間がかかるので、公開日には最低3日余裕を持つ。
・未だにアメリカンヒットは女性のセクシー画像ばかり。
・J-Popは動画タイトルに「/」を使う。

ちょっと結論としては弱い感じもするので機会があればもう少し検証したいですね。

| http://www.freshersgate.com/kumachon/blog/index.php?e=488 |
| 音楽::レコーディング | 03:26 PM | comments (0) | trackback (x) |

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