江國香織さんはとても好きな作家です。最近読んだ本は「ひとりでカラカサさしてゆく」
抱えていた少々難しい仕事がようやく手離れしたので、平日だけど、今日はお休みすることにしました。それで、読みたかったこの小説を一気に読んでしまいました。
その感想はともかくとして、小説のタイトルにもなっている雨降りお月さんの歌詞に驚きました。知佐子さん(主人公ともいえる女性)は子供のころ、お月さんがお嫁に行く歌だと思っていたのです。あれ、わたしは今の今まで、そう思っていました。そうかあ、そうではなかったのですね。
「お嫁に行くのは普通のお嫁さん。お月さんは雲の陰に隠れているの」
「お月さんはいつでも夜空にぽつんと一人でいるんだから、お嫁に行くときもそりゃあ一人だろうなって想像してた」
私もすっかりそう思っていました。違ったんだあ。びっくりです。
幼い日、お月さんがカラカサさしてゆく姿を想像して、なぜだかすごくミステリアスで、怖いほど美しい哀感ただよう光景が目に浮かび、うっとりしていました。お月さん、一人でさみしいだろうなあと勝手に思っておりました。お嫁にゆくのにちっとも嬉しそうじゃない、悲しい姿でした。
ひとりでカラカサさしてゆく、、、知佐子さんもそうやってひとりでカラカサさして、行ったのですね。誰でもがそうであるように。でも彼女は一人がいやだったので、道連れを探したのでしょうか。道連れ、それもりゅうとしている道連れを得たのに、心はやっぱり一人だったのでしょう。
わたしは道連れもなく、ひとりでカラカサさしてゆこうと思ったことでした。悲しそうにではなく、心ひそかに嬉々として、颯爽と、さりげなく。 |