長年に渡り、アフガニスタンで人道支援にあたって来た中村哲医師が亡くなった。
ソ連による侵略、アメリカなどからの空爆、激烈な内戦、アフガニスタンの人々は国際情勢に振り回されながら、困難な暮らしを強いられて来た。現在も戦火の下にあり、それは40年以上に渡る。
中村医師はそんな危険な中に飛び込み、貧困から人々を助け出そうと、井戸や灌漑用水路の建設に尽力していた。
ただただ悲しい。
尊敬してやまない、今の世界で最も尊い存在であった人だ。
それなのに、無残にも殺されてしまった。なんということだ。遠く会ったこともない人であるけれど、悲しくて泣いた。
そして、情けないのは、そう言っていながら、わたしは安穏とテレビを観、新聞を読み、SNSをチェックし、片手にワイングラスを持っている。
なんということだ!恥じ入るばかりだ。
これ以上はなにも言えない。偉そうなことなど言えるはずもない。
静かに考えてみた。なぜなのだろう。一体、こんなことが許されて良いのだろうか。平和のために人々のために自分を犠牲にして尽くしてきた人が、なぜこのような悲しく惨い目に遭わなければならないのか。
とうてい人知では計り得ないことがあるのだと思いながらも、悔しくて仕方がない。
すこしの休みが必要だと神様は判断したのだろうか。別の場所での仕事がもう用意されているのかもしれない。
こちらでの仕事に区切りをつけて、また新しい仕事にとりかかるのかもしれない、などと想像している。
とにかく、特別な人であった、いや今も現在進行形で、偉大な人であることは確かだ。
重い荷をおろして、ゆっくり休んでおられるだろうか。そうであってほしい。
そして、アフガニスタンに一日も早く平和が訪れますようにと祈らずにはいられない。 |