「Something Jazzy」「WALK」AKIRA FUSE しみじみと優しい歌声
youtubeでmusic動画を観ていると、時間がどんどん過ぎてしまいます。
いけないいけない、つい夜更かしになります。
コンサートに好きなだけ行けるわけではないから、ネットで観られるのはとても嬉しいことです。ましてや、過去の知ることもなかったパフォーマンスまでふんだんに観ることができる、実に予想だにしていなかったことです。
さて、いつもはクラシックやジャズが多いのだけど、偶然、布施明さんの動画を観ました。そして、あまりにも素敵で釘付けになってしまいました。大事に丁寧に歌い上げるその声のなんと美しく優しいこと、若い頃の伸びやかな声も現在のふくよかな声もどちらも魅力的で、胸に染み入ります。
沢山の動画の中で、繰り返し観てしまうのは、「La Boheme」 と 「しのびよる愛に心を開いて(原曲はJe t'aime)」 。
やられてしまいました。心に天使の矢が刺さってしまったわけです。
La Boheme はシャルル・アズナヴールの曲、(作詞;ジャック・プラント、作曲;シャルル・アズナヴール)シャンソンの中でも何十年も歌われてきた美しい曲です。Je t'aime はベルギー出身のシンガー・ソングライター ララ・ファビアンLara Fabian の代表曲、心揺さぶる切ない曲です。どちらの曲も布施明さんが自ら訳詞をして歌っています。
彼は多くのシャンソンや外国の歌の訳詞をして歌っているのですね。その詩がまた素晴らしい。ほとんどはコンサートで歌うだけのようで、収録されているCDがあまり無いのが残念です。彼はシンガーソングライターでもあります。多くの曲を書いて歌っています。わたしは特に「I LOVE YOU」が好きです。「I LOVE YOU」というタイトルの曲はたくさんあるけれど、布施さんの曲ほど優しさの滲み出ている曲は他にありません。
話が逸れてしまいましたが、La Bohemeはある男性が昔、パリで画学生だった頃、若く貧しかった時の恋を歌っています。日本では多くはなかにし礼さんの訳詞で歌われています。原曲の雰囲気を残しつつも、女性を主人公としていて、忠実な訳詞とはなっていません。フランス語の歌詞をそのままの訳で日本語歌詞にするのは、土台無理なことと言わざる終えません。
一方、布施さんのは訳詞と言うよりは作詞、彼独特の世界が広がっていて一気に心鷲掴みにされてしまいます。違うと言われるかもしれないけれど、フランソワーズ・サガン「ブラームスはお好き」のシモンを思い出しました。
Je t'aime からLara Fabian の動画にたどり着きました。彼女は世界的にとても有名だと言うのに、今まで知らなかったのが実に残念です。抜群の歌唱力には驚嘆してしまいますが、彼女の作る曲が本当に美しく切ないのです。
クラシックやジャズ、ロック、シャンソン、ポップス、R&B、ソウル、レゲエなどなど、音楽のジャンルは限りなく、人それぞれ好みはあると思うけれど、そんなジャンルに関係なく、胸にグッと迫る音、音楽の力は凄いと、つくづく思います。音楽は眠っていた記憶を呼び覚まし、しばし立ち止まらせてくれます。楽曲の中に住む作曲者や作詞者、編曲者、演奏者や歌手、その人たちと直接に向かい合える、音楽を通して、強力で不思議な力を感じます。心の深いところで、響きあい共鳴するのです。
折につけ、ああ、人生は短いのだとしみじみ思うこの頃です。もっともっとたくさんの音楽に触れたい。知りたい。聴きたい。観たい。でもいったいどれだけを味わうことができるのでしょう。これからはLIVEコンサートにもっと積極的に足を運ぼうと、強く思ったことでした。
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