会場にあったレプリカ
白象黒牛図屏風(白いゾウと黒いウシ)のゾウとウシのおおらかな表情、それと小さな横座りの犬がすごく愛らしい。可愛いと言えば、「虎図(あしをなめるトラ)」、目がくりくりでなんとも言えないほのぼのしたしぐさ。本当にまいりました。
最後には、生命のパラダイスと表した「鳥獣花木図屏風」
その場を去ることが惜しくて、いつまでも眺めていました。
江戸絵画の生き生きとした美しさ、力強さ、温かさがぐんぐんと観る者に迫ってきて、心から楽しい気分にさせられた素晴らしい展覧会でした。
当時の人々がいかに豊かな感性を持ち、素直な澄んだ新鮮な目でまっすぐに物事を見ていたかをつくづく思い知り、驚くばかりです。
江戸時代から明治初期に日本に訪れた外国人は庶民の貧しくとも幸福そうな暮らしぶりを見て賞賛したと言われていますが、正しく江戸絵画がそれを証明してくれています。
一方、現代の私達に目を移してみれば、疑心暗鬼のとげとげしい薄暗い世界しか作れていないような気がして残念でなりません。
今回、若冲たちが描いた絵画から、眠っていたおおらかで思いやりのある心を引き出されたような気がしました。
実に、福島まで行った甲斐がありました。 |