レンブラント 最晩年の自画像
自分の顔が、目に浮かばない。
あの人の顔もこの人の顔も、思い出せばすぐに目に浮かぶのに、さて、自分の顔は?
おぼろげである。どんな顔をしていただろうか。
毎朝、鏡を見ているはずなのに、自分の顔を忘れている。
ぼんやりと輪郭しか思い出せないでいる。
あなたはどうですか。
自分の顔、思い出せますか。
誰よりも理解していないのは、自分。
一番わかっているはずの自分なのに、一番わかっていない。
自画像をとことん描いたゴッホやレンブラント。
なぜ、そんなにも多くの自画像を描き続けたか。
本当の自分の姿って、どんなだろう。
わかればわかるほど、失望してしまうのが落ちだが、
愛すべき自分に、ふと憐れみの情が湧いたりもするのだ。 |