夜、ベッドに入ろうとするとKaiが必ずベッドの端にあごを乗せてこちらをじっと見ている。ママ もう寝ようねって顔で。
ちょっとだけ、耳のところを掻いてあげて本を読み始める。
部屋の明かりは消してベッドのスタンドだけなので、Kaiちゃんの顔がぼーっと浮かんでいる。もう一度Kaiの頭をなでてあげるとそれでもじっとこちらを見ている。
寝る前はいつも本をぺらぺらとめくりながら時を過ごす。
眠気が一気に訪れれば、15分もしない内に眠りに就くのだけれど、時には段々目がさえてしまって1時間も2時間も読み耽ることもある。
今夜は「浮世でランチ」by山崎ナオコーラ 賞をもらって話題となった「人のセックスを笑うな」もすごく良かったけれど、私はこちらの方が数倍好きだ。何よりも彼女らしいという気がしてにやっとしてしまう。
実はナオちゃんは娘の小一からの仲良し。今でも時折連絡を取っては会ったりしているらしい。一緒にスキーに行ったり、日常の思わずにやにやしてしまうような愉快なエピソードや思い出がいっぱいだ。
去年の秋の始まりの頃、バッタリ彼女に出会ってしばし立ち話。いつもの彼女らしく淡々と、でもはにかんだような笑顔で、「どうも」と挨拶する。両手にいっぱいの荷物をぶら下げている。きっと家族へのお土産かななんて思いながら、じゃあ 我が家にも時には遊びに来てねと言って別れた。
若いとか年を取っているとか、男とか女とか、お金持ちか貧乏かとか、頭がいいとか悪いとかに関係なく、同じ温度で感じることってある。同じ波長にはまるとすごく嬉しい。小説のおもしろさはそういうことかなあと思う。
今日は妙に目が冴えてしまってまた起き出してしまった。ベッドの横で熟睡するKaiちゃんに話し掛けながら、背中を撫でていたらちっとも気付かずくうくう寝ている。なんど話し掛けても眠りから覚めない。犬としてこれはどうなの?ねえ kaiちゃん! ふーむ まあ いいか。
私もこの飲みかけのワイン飲んだら、寝ることにしよう。
そう言いながら宵っ張りの私、年の初めから飲みすぎ傾向にあります。いけないいけない。。。 |