もう6、7年ほども前になるが息子が日本に戻って来てすぐの頃、千住明さんが音楽を担当なさったNHK「映像の20世紀」の音楽制作に参加させていただき、その後も何度か、ドラマや映画音楽の制作の際にお声をかけていただいているようだった。その仕事の合間でのエピソードやお人柄、また妹さんであるヴァイオリニストの、真理子さんのお話などを聞いて、勝手に身近に感じてしまった私。
そんなこともあって、ずっと千住さんの音楽にはついつい耳を傾けてしまいます。
今回初めて東京芸術劇場での個展コンサートに行ってきた。
もちろん千住真理子さんも出演。
小松長生さん指揮の新日本フィルハーモニー交響楽団、ピアノの羽田健太郎さん、ヴォーカルで白鳥英美子さんが出演され、正に豪華なコンサートが繰り広げられた。
やはり生でオーケストラを聴くのは迫力がすごい。
真理子さんが奏でる、デゥランティの一点のくもりもない音色に大感激し、白鳥英美子さんの千住さん曰く「天使の歌声」にうっとり。羽田健太郎さんのピアノによる「ピアノ協奏曲"宿命"」には強く心が打たれ、初めて生のオーケストラで聴けて本当に嬉しかった。一楽章が有名になってしまったけれど、千住さんは二楽章がご自分の宿命だと仰っていたのが印象的だった。一楽章で驚き嘆き悲しみが全面に出されているが、二楽章は自分の宿命を受け入れて行く人間の姿を表現しているのかなあと感じた。
その後にも「映像の20世紀」のテーマ曲を聴いてまたまた涙もろい私は本当に困ってしまった。たっぷり2時間半の素敵な時間、上質な音楽を堪能し、とても短く感じられました。
千住さんの結婚式で息子がいただいた引き出物のワイン、息子にもらって今も大切にしまってある。ソムリエでもあるという奥様がプロデュースし、ラベルは千住博さんの絵という、なんとも贅沢なワインだ。
素晴らしい音楽を聴いて幸せな気分の私は今年の結婚記念日に思い切って開けようかなと思いつつ、家路に着いたのでした。
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